データ分析は地味で泥臭い作業が多くある、という意見をよく聞きます。
私も確かにその通りだと思います。
ただ実はデータ分析だけでなく、その周辺の業務にもさらなる泥臭さはあふれているとも思います。
例えば各所との調整ごとや交渉ごと、申請、稟議などの社内手続き、確認や報連相などなど。。。
今回はKPIについての泥臭い部分をお話ししたいと思います。
以前KPI設計の基本という記事を書いていて、KPIの設計は難しいということをつらつらと述べてました。
ただ今思うと、こうしたことはたとえ困難であっても頭脳労働になるので、データアナリストであればむしろ好物なのかもしれませんね。
さて当然ながらKPIというのは設計するだけで終わりではなく、そのあとの運用管理も大事です。
常に関係者はKPIの状況を確認し、問題があれば即座にしかるべき手を打つ。
そのために必要なのは、まず関係者の意識の改革です。
ようはKPIを常に気に掛けるようになっていただく、ということです。
よく会社として今期の売上目標はxx億円!とか、顧客や会員の数をxx人規模にすることを目標としよう!と宣言されている話を聞きますが、関係者である当の社員はいつの間にかその目標値を忘れてしまっていて年度の終わりの全体会議でそういえば。。。と思い出すなんてことも合わせてよく聞く話です。
会社の目標などですらこうしたことが起こりうるので、そうした人々はKGIから何段階かに分解されたKPIともなれば普段全く気にしていないのではないでしょうか。
データアナリストも運用段階では関係者向けにKPIレポートを作ったり、定期的にデータを集計して報告したりすることをやっていたりすると思いますが、作ったレポートがほとんど見られないとか、報告しても特に何もアクションもなく空しさを感じているなどの経験をしている方も多くいるかと思います。
中にはそれで良しとせず、こまめにレポートの見易さを改善したり、補足説明やガイドを充実させたり、社員がよく見るポータルサイトや社内掲示板にリンクしてもらえるよう交渉したり、レポートの使い方や数字の見方のレクチャーをするなどの啓蒙活動などに取り組んだり、いかに数値に関心を持ってもらえるか、見てもらえるようにするか、といった泥臭い作業に尽力している人もいるでしょう。
しかしなかなか報われず、それどころかKPIとは関連のない「あんな数値やこんな数値までついでに見れるようにしてよ」と逆に無意味な仕事を増やされてしまったりしているかもしれません。
元々はおそらくKPI設計の段階で問題があって、各社員の業務と立てられたKPIがあまりリンクしていないことでKPIが他人事になってしまっているという可能性が高いのですが、そうだとしてもいかに自分事の数値指標として意識してもらうかは重要です。
そうしないともしKPI設計に問題があってもそのことにすら気づかれず、問題として取り上げられないまま放置されて同じことが繰り返されてしまうので。。。
PDCAが回っていない状態、あるいは回すだけの状態(アクションがKPIの改善になっていないなど)だとKPIマネジメントが成功しているとは言い難いでしょう。
よく漫画などではブラック企業の営業マンがノルマ未達を上司から厳しく責められている場面などがありますが、やり方はともかくとして、あれくらい各人がKPIを意識するのがひょっとすると理想なのかもしれません。
・皆の目に入るところにKPIの進捗がモニタリングされている
・定期的に(こまめに)皆でKPIの進捗を管理し、対策を考えている
・KPIの進捗が各人の評価に大きく影響している
しかし、KPIに直接貢献するもの以外の間接業務なども当然ながらたくさんあるので、ドラスティックに管理するのも難しいでしょう。
とはいえ、何もしないのもそれはそれで改善がないので、できることからでも進めていくことは必要なのだと思います。
何から進めるかは企業によりけりなのでケースバイケースですが、いずれにせよ簡単なことではなく、泥臭くて時間のかかることだろうと思います。