データ活用に取り組む企業のありがちな行く末

データ活用に取り組んでいる企業、取り組みたい企業は世の中にたくさんあります。


それによって売上や利益を向上することが目的と思われますが、なかなか上手くいかないことも多いようです。


そもそも上手くいっているのかどうかすらわからないところも多いのではないでしょうか。


おそらくシステム費用やデータ分析人材の人件費などコスト面はシビアにチェックしても、それによる効果を正しく測ることができていないと、投資対効果が算出できず、結果として継続すべきかどうかなどの判断ができないといった状態なのかもしれません。


そうした企業はこのような状況では新たに投資額を増やすわけにもいかず、仕方なく次にとる手としては、判明している「コスト」を下げてリスクを低下する方針に傾いていきます。


新たなシステム投資の承認は下りづらくなり、人材は内製化あるいは安い新卒の採用で賄うようになります。


根本的な問題である「現状のデータ活用の取り組みが、なぜ売上や利益向上につながっていないのか」には目を向けません。


そのため、データ活用のコストを削減しても、相変わらず効果は不明なままで、次に何をすれば良いのか途方にくれます。


一方その間データ分析人材は、仕事がない/やっても評価されない/環境がいつまでも整わず能力を発揮できない/ロールモデルもなくどこを目指せば良いのかもわからない、などと感じるようになり、やりがいを挫かれて転職していく人が後を絶たなくなります。


内製化のためデータ分析人材にジョブチェンジさせられた人は、人手不足のために元の職種に戻され、新卒も別の人手の足りない職種に就けられます。(あるいは兼務)


時折、思い出したかのように経営者が「データ活用を進めよ」と号令を下すことが再びあるかもしれませんが、その際は以前にデータ分析人材だった人たちなど経験がある方々が一時的にプロジェクトチームとして集められ、PoCを行うところくらいまでで大体終了するかと思います。


なぜなら、PoCが良い結果だとしても、次の展開はシステム化や業務改革など大きな投資を伴うものになるので、よほどある程度の効果が見込まれないとおいそれと投資判断は下せないものです。


かくして、結局お金は失いましたが元の状態に戻る、というのがありがちなケースなのかもしれません。


さて、こうしたケースに陥らないためにはどの時点でどうすれば良かったのでしょうか?


データ活用に取り組もうとする経営者向けに、まずワークショップとして取り組んでもらいたい題材ですね。