データ分析の失敗事例その1

データアナリストをしているとデータ分析によって業務効率を格段に跳ね上げたとか、新たなサービスの開発や改良につなげた、KPIの改善に大きく貢献した、などなど素晴らしい実績や事例に遭遇することも少なくありません。


しかし、誰もがそのような華やかな経験ばかりしているわけではありません。


今日はその陰にある失敗事例を私の経験を参考にいくつか紹介してみたいと思います。


データの集計ミス


おそらくデータアナリストであれば誰しも経験があるのではないでしょうか。


ミスしたデータが何に使われているのかによって影響が異なります。単なる参考値やおおまかな傾向を見るためのものであれば、ミスしていても大した影響にならずに許してもらえる可能性はあります。


しかし、上層部もしくは社外への報告書に使われている数字であったり、それなりの金額の予算に影響が出るような意思決定材料であったりすると、滅茶苦茶怒られます。担当者だけでなく、上長も巻き添えです。怒られる相手もクライアントだけでなく、色んな関係者複数に怒られるかもしれません。


データアナリストも人間なのでどんなに優秀な人であっても絶対にミスをしないということはないのですが、いざミスが出てしまったときはそれは関係ありません。厳しく怒られた後は、再度ミスのないデータを集計しなおすのは当然として、なぜミスをしてしまったのか、再現しないためにはどうすれば良いかといったことも合わせて報告が求められます。


なお、データや分析結果を報告した後で自分で何らかのミスに気づいていても、他の人に気づかれていないのであれば責任をとりたくないから黙っておこうというのは宜しくありません。


ミスを起こしたらきちんと自らの非を認め、謝罪できるかどうかは重要な資質なのかもしれません。


とはいえ、ミスがあっても安易に何でもかんでもとにかくすみませんというのではなく、それは本当に自分のデータ集計のミスなのかどうかしっかり問題の切り分けを行う姿勢も重要です。実はソースであるデータそのものが間違っていた、依頼された定義や仕様が誤っていたという可能性もあったりします。


またそれなりの年長者になると、データ集計を自分でやらずに若手や業務委託の方に丸投げする人なども出てきます。分析設計やクライアント折衝、レポーティング等の方が得意でそちらに注力した方が適材適所であるという理由である場合ももちろんありますが、実は自分でデータ集計をきちんとやることに自信がなくミスを出してしまうことを恐れているだけという場合もあります。まあ、ミスが発生したときに責任をとらなくても良いわけではありませんが、直接的に自分のせいではないとなると幾分プレッシャーも治まるのでしょうかね。


後者のタイプの人かどうかは、実際にミスが発生した場合のふるまいでわかります。そうした人は大体ミスをした担当者に直接謝罪等をさせ、本人は知らんぷりあるいは後ろで頭を下げてるだけでやり過ごそうとします。なるべく直接的なミスの原因に関わろうとしない傾向が見られます。


別にそれはそれで何も問題ないなら良いのかもしれません。しかし、データ集計の担当者からするとあまり面白くないでしょうし、ミスしたことによる自責やプレッシャーで委縮してしまったり、以降の仕事にも影響が出る可能性もあります。ほっておくと、ミスを隠蔽するようになってしまったり、ひどいケースは退職・転職ということもありえないとは言えません。ミスした後すぐにしかるべきフォローが必要です。


一方で、部下やメンバーのミスが出てしまったときに率先して関係者との間に立ち、謝罪や折衝等を一手に引き受けるマネージャーもいます。通常はこちらの人材の方が関係者やメンバーから好感を持たれやすいでしょう。実際にそうした人は存在しますが、おそらく希少です。普段から口でそういってるだけのマネージャは多いと思いますが。ただ、それは性格の差なのでしょうがないとすると、多くのシニアやマネージャは失格の烙印を押されてしまうことになってしまいます。


データ集計をアウトソースするなど分業体制にすると自分事であるという意識が薄れてしまう傾向もあると思うので、いかに自分事であることを意識できるようにするか、責任感を薄めず醸成させるにはどうすれば良いかなども考えなければならないのかもしれません。業務効率も大事なので簡単ではないかもしれませんが、そうしたことも必要なことのように思います。



ひとつのネタで結構長くなってしまったので、他のネタはまた次回以降に紹介しようと思います。本日はここまでということで。