仮説の立て方3 原因を探る

以前に仮説の立て方について記事を書きました。

custle.hatenablog.com

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今回は何らかの問題解決のためにその原因を調べる場面での仮説立案ということで、しばらくぶりですが第三弾の記事になります。


事象の原因を調べる


・売上が急に下がった原因は何か?

・顧客の離脱が増えたがどうしてなのか?

・新規施策の効果が見られないのは何故だろう?


といった場面にて、原因と思われる仮説を色々考えて調査するといった経験のあるデータアナリストも多いのではないでしょうか。


事象を切り分けて問題点を絞り込む


原因を調べる場合は、正解となる仮説にたどり着くのが目的なので、無作為に仮説を考えて検証するよりも、まずは事象の切り分けや問題点の絞り込みにつながる仮説から検証するのが効率的です。


例えばテレビが映らないときに、故障かもしれないと思って修理業者を呼んだけれど、実はコンセントが抜けていただけで無駄足だったなんてことはよく聞く笑い話です。


まずはコンセントやアンテナ線が抜けていないか、リモコンの電池が切れてないかといった単純な見落としがないかなどを調べて、原因がそれ以外なのかを切り分ける方が一般的でしょう。


売上の減少などに関しても、例えば全ての商品で減少が見られるのかそうでないか等を確認しておくと、実は無関係である(減少傾向にない)商品の減少理由を考えてしまうといった無駄なことを避けられます。


事象の切り分け方


過去と同じ問題が再燃したというケースも結構多いので、まずは過去の問題の原因と同じかどうかを調べることから試してみても良いかもしれません。


しかし、もし過去の問題の原因とは別の原因であることが判明したら新たな仮説が必要になります。


その場合は、以前紹介したようにフレームワークを使うなどして漏れや重複のないようざっくりと切り分けていくことになります。


余談ですがITシステムのトラブルにおいても、原因を調べる場合はITシステムを構成するサーバ、ネットワーク、アプリケーション等のどこに問題があるのか切り分けながら範囲を絞り込んでいきます。


売上減少でいえば、マーケティングの4P(Product、Promotion、Price、Place)や3C(Company、Customer、Competitor)などを元に絞り込んでみるのも良いかもしれません。


4Pを元にした場合は以下のような感じでしょうか。

・商品による差
・プロモーションの有無あるいは種別による差
・商品の価格帯による差(競合と比べて相対的価格差が生じていないかも注意)
・エリアやチャネルによる差


例えば上記の差などを調べて、差があるところが見つかればそこを深堀りしていくと原因にたどり着けます。逆に差がないようであればそこは除外して別の個所を調べます。


3Cを使う場合は、自社側に原因があるのか、顧客側に原因があるのか、競合が原因を作り出していないかなどを切り分けるイメージです。


ただ自社側の場合は調査範囲が広くなりがちなので、まずは競合の動きや顧客の反応から調べてみるのが良いかもしれません。


ざっくり範囲を絞れてそこからさらに深堀りしていく際にも、フレームワークや構成要素などを元になるべく抜け漏れがないように調べていくのが基本的な流れとなります。


仮説検証時の注意点


問題点を切り分けようとしたが、実はそれは問題ではなかったということもたまにあります。


売上減少でいえば、例えば比較対象とした時期がキャンペーンなどをやっていて売上が好調な時期だったので、そこと比べて大幅に減少しているのを問題と見なしてしまうなどです。


また細かく切り分け過ぎて原因を勘違いしてしまうこともありえない話ではありません。


またまた売上減少でいえば、平均よりも大きく売上の下がっている商品を見つけたが、その減少額は全体の減少額から見るとほんの一部で、売上全体の減少にはあまり影響していなかったなどです。


あとケースによっては原因特定に至らないことも十分考えられます。これ以上仮説が思いつかない、検証できるデータがないなどで行き詰まるパターンです。


そのような場合はなかなか悩ましいかと思いますが、徒に時間や人のリソースをかけるよりもどこかの段階で諦めるのも選択肢のひとつです。


ただそのときの対応や知見を蓄積・共有したり、新たなデータの取得に取り組むなどなるべくなら次に活かせることにも目を向けたいですね。