DX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩

DX(Digital Transformation)とは


今回はDXについて書いてみようと思います。


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fujiwaraさんによる写真ACからの写真


ちなみに経産省ガイドラインでは、DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。


www.meti.go.jp


この定義には主に2点の変革について書かれています。


・製品やサービス、ビジネスモデルの変革

・業務や組織、プロセス、企業文化、風土を変革


ただし、変革といっても具体的にどのように変わることがDXなのかは書かれていません。


それがDXがなかなか進まない大きな原因ではないかという気がします。


DXを進める最難関の壁


「変革」という言葉だけでは前に進めないので、まずはその前後の姿であるASIS(現状の姿)とTOBE(あるべき姿)を具体的にすることから始める必要があるでしょう。


ASISとTOBEを定められれば、そのギャップをどのように埋めていくべきかというロードマップやプロセスの議論に入ることができます。


それらがないままプロジェクトを進めることは出口のないトンネルを延々と掘り続けるようなものです。


まず、ASISに関してはDXの定義の中で主な対象種別(製品、サービス、ビジネスモデル、業務、組織、ビジネスプロセス、企業文化や風土)が例示されています。


ここから自社の環境に照らして対象を選択するのはそう難しいことではなさそうです。


しかし、TOBEに関しては「顧客や社会のニーズを元に」とか「競争上の優位性を確立」などの補足的な言葉しかなく、ちょっとイメージしにくいのではないかと思います。


おそらくここが大多数が行き詰まってしまう最初にして最大の壁なのではないでしょうか。


DXの最初の壁を避けて第一歩を踏み出すと


TOBEのイメージが構築できないとそこに至るためのロードマップを作成することもできず、プロジェクトがいつまでたっても開始できないまま時間だけが経過してしまいます。


その状態でずっと悩んでいるわけにもいかないので、先に手段(技術)を決めてとにかくスタートしてしまおうというパターンもよく聞きます。


ここで採用される手段とは高い確率で「AI」です。


これまで自社の業務やサービス等では取り入れていなかったAI技術を使えば、それイコール変革ではないかとの考えでDXプロジェクトがとりあえずスタートされます。


本来TOBEのようなゴールや目的、それに至るロードマップもないまま手探りでプロジェクトを進めても成功確率は低いはずなのですが、AIの活用事例などが世の中に広まりつつあるので、AIを使えばなんとかなるだろうという期待感が先行してしまっているのかもしれません。


しかし、残念ながらPoCまで実施したところで次に何をして良いのか再びわからなくなり、再度DXの推進が停滞してしまうというのもよく聞く話です。


PoC以降に進めない原因については、色んなところで議論されています。主には経営層の無理解、リーダーシップ不足、戦略丸投げといったものから、現場の抵抗、データが不十分、導入や運用体制が整わないなどでしょうか。ただ突き詰めればやはりTOBE像とロードマップの準備が不十分であることに帰着するような気がします。


しかしなかなかそれらの課題を克服した成功事例が増えてこないのも厳しいところですね。それだけ最初の壁が高いのか、それとも他にもつまづくポイントがあるからなのか。。。


DXの最初の壁を乗り越えるには


DXの最初の壁を避けてプロジェクトを進めようとすると失敗の可能性が高くなるので、やはり最初の壁を乗り越えることは避けて通れないのではないでしょうか。


次回はどうすればこの壁を越えられるのか考えてみたいと思います。


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