実践的なデータ分析とは

実践的の意味


業務でデータ分析を行う人であれば、「実践的なデータ分析」ができるようになりたいと思う人もそこそこいるかもしれません。


ただ、実践的なデータ分析ってどういったものなのでしょうか。


まず、勉強や好奇心などで行うデータ分析ではなく、実業務の中で行われるデータ分析のことなのでしょう。


そして実業務として行われるということは、分析結果が他の人の役に立つとか他の業務に活かされるといった何らかの成果も伴うということなのかと思います。


ただ、データ分析を主として行う職業の代表であるデータアナリストの業務はというと、必ずしもデータ分析の仕事だけではなく、データおよび仕様の整備や、依頼されたデータの抽出・集計・加工、レポート作成および報告なども含まれます。


そしてこれらの業務も、実業務の中で必要とされて行われるものです。そういう意味では実践的なデータ関連業務ですね。


むしろデータ分析を行う職種であっても実際に行う仕事は上記のものなどがほとんどで、データ分析と呼べるような仕事なんてほとんどしていないという人たちもたくさんいるかもしれません。


データに対する期待値の上昇


昨今、データへの注目度が大きく上昇しています。


データは第二の石油とも呼ばれ、うまく活用できれば大きなリターンを得られるものと見なされている感があります。


実際は大半のデータが大した価値を生むことなく、ただ生成されて溜まっていくだけのようですが。。。


そのため、データを使っても大きな価値を生まない仕事や業務はあまり喜ばれない、というかがっかりされることもあるようです。


データの管理、整備、可視化、報告といった業務なども当然必要なものですし、それなりの経験やスキルも求められるものなので、軽んじられているということはないと思いますが、データに対する期待値とのギャップが大きくて、より大きな価値を生む仕事でないとなかなか注目されない、といったように感じます。


データを使って大きな価値を生むものとして代表的なのは、今だとDXとかAIなのでしょうかね。


実践的なデータ分析


データ分析も意思決定に影響するということで昔からそうした期待を持たれ続けてきました。


ただし、実際は単なる数値の報告でおしまいとなってしまうパターンが大変多いため、そうしたものと区別するために「データ分析の目的をしっかり決めよう」とか「仮説を立てよう」とか「課題を明らかにしよう」とか「ドメイン知識を身に着けよう」とか効果的なデータ分析につなげるための方法論などもあちこちで語られるようになってきました。


こうした中で、データを分析して価値につなげるといった事例なども増えてきた。。。のでしょう、おそらく多分。


ただ、機密情報なども含まれていたり、単なるプロセスのひとつでしかないため、あまり詳しい事例を見かけるのはまだまだ少ないですね。


そもそも意思決定といっても粒度は様々で、いち担当者が常日頃気軽に行う意思決定もあれば、経営陣が行う何十億何百億ものお金が動くインパクトの大きい意思決定もあります。


大きな価値をもたらすという意味では金額換算で測るとわかりやすいですが、実践的という意味では金額換算の値に関わらずやはり業務に使う(誰かの役に立つ)という観点が最低限あれば良いのかなと思います。


データ分析を業務として行う人の中にも、大きな価値を生まないと注目されないからそうした仕事しかしないといって、その他の仕事を受けたがらない人も時々います。


しかし余程の大御所とかならともかく、通常はコツコツ実践的な仕事を積み重ねて、時に大きな価値を生むような仕事に巡り合うといったことなのではないでしょうか。


といっても、言われたことを適当にこなすだけといった対応しかしないとなかなか実績として積み重なってはいかないでしょうし、大きな価値を生む仕事も任されない(任されても結果を出せない)でしょう。


小さな仕事でもそれなりの結果を出すことを意識し実践できていると、信用も蓄積されていくのではないでしょうか。


当然データの処理だけしかしなくて結果が出せるとも限りませんし、時にはあまりデータ分析とは関係のない泥臭い仕事も必要かもしれませんね。


データ分析ができるツールや人材が増えつつある中、専門性の高い知識を持つというのも差別化の一つではありますが、他にも差別化できる要素はあると思います。


実践的なデータ分析に取り組み、コツコツ積み重ねていくというのも、そのひとつになったりするのではないかと思っています。


昔とある業務にて、あまり注目されていなかったデータを分析して、そのレポートの使い方を地道に担当者にインプットし続けて、担当者がそれをもとに企画を考えてくれるようになったということがありました。


それほど特殊な分析手法を使ったわけでもありませんし、金額的な効果もおそらく大したことはなかったかと思いますが、個人的に手ごたえを感じたデータ分析の仕事のひとつだったなあと、ふと思い出しました。