データ分析の使い道

データ分析を行う人はデータや分析手法に興味を持つことでしょう。


一方データ分析を利用したい人は、データ分析によってもたらされる効果や便益に興味を持つのではないかと思います。


そうなると「何に」データ分析を使えばどれくらいの効果が期待できるのかが気にされるところではないかと思います。


しかし効果といっても、データ分析をすれば売上が上がるなど、データ分析単独で直接的な効果を上げられるわけではありません。


本来ビジネスとして期待する効果は、そのための活動によって生み出されるものです。


データ活用やデータ分析などもその活動による効果をさらに向上させるために補助的に行うものといったほうが良いのではないかと思います。


よってまずはデータ分析をどのような活動に活用すべきか、といった対象をしっかりと把握することが重要となります。


例えば売上や顧客増のための活動であれば、以下のようなものが考えられます。


①セールスのための活動(営業や販促)や商材の強化(商品やサービスの開発・改善)など


コスト削減効果を狙う場合の活動だと、次のようなものでしょうか。


②現行の様々なリソースの使用状況の適正化(無駄のない利用、無理させない利用)、リソースの交換(より低コスト、長寿命、高効率のリソースへの代替)など


これら①と②のような活動の効果をさらに上げるには、まずは実施している活動とそうでない活動の整理から必要でしょう。


実施すべき活動や優先度の高い活動が明確になってくれば、その活動の現況をきちんと把握できる仕組みがあるかどうか、客観的な評価が可能かどうか、それを元に課題の発見と解決を行ったり、トライアル&エラーやPDCAを回せているか、それらの活動をさらに効率化できないか、などについてFit&Gapが必要になると思われます。


この際に客観的な指標や定量的な尺度として活用可能なのがデータということになります。


しかし、仮にデータがなくて各活動の定量的な評価ができていなかったり、各人の当てずっぽうや勘・経験で活動が行われていたとしても、活動自体は売上やコスト削減といったものを目的としているため、一定の成果はもたらされることでしょう。


ただ、データがない場合は失敗の可能性もそれなりに高いでしょうし、より効果の大きい業務領域・課題・リソース・施策等が見落とされたりする可能性も高くなると思われます。


逆に言えば、データ活用や分析の効果はこうした失敗の可能性を下げたり、より大きな効果をもたらす改善対象を見落としにくくなることとも言えるでしょう。



とまあ、このようにデータやデータ分析の使い道を考えてみることで、より効果が期待できる方向に進められる可能性が出てくるかもしれませんので、データを見るだけでおしまいということが多い現場では、本来のデータの使い道を改めて考えてみるのも良いかもしれませんね。