データアナリストの今後のキャリアを考えてみる(2021年12月)

以前も同様のタイトルの記事を書きましたが、年末の休みの際に改めて色々考えたので、アップデート版を書こうと思います。

40代以降の生き方


自分自身40代になって、この先10年、20年、ひょっとすると定年が延長されて30年先以降、どうしていくかを最近悩んでいます。


以前参加したオンラインセミナーで、ある登壇者の方は「10年以上も先のキャリアのことを考えてもその時世の中どうなっているかわからないし、せいぜい考えるとしても3年後や5年後にどうなっていたいかでしょう」とおっしゃっていました。


この意見は確かにその通りだと思います。


先のことはわからない、今のコロナ禍のような状況が起こるなんて誰もわからなかったし、この先既存の会社や業界がどうなっていくかも不透明です。


そのため、例えば以下のような考え方のいずれかの人が多そうな気がします。


・汎用的なキャリアや幅広い経験を積んでおいてどのような世の中になっても柔軟に対応できるようにしたい
・先のことは気にせずその時々で興味のあることにチャレンジする
・常に最先端の技術や領域などを追い求めて、その分野で第一人者を目指す


などなど。。。


ただ、一方で年を取って体力・気力が衰えてきたり、金銭面や家族面など様々な不安ごとが増えてきたりすると、保守的な考えが芽生えてくるというのも自然なことだろうという気がします。


私も30代くらいまでは将来の不安はあまりなく、興味のある仕事にチャレンジできれば満足という考えでした。


今思うと、不安ごとがないというよりはどこか自分事のようには思っていなくて、いざとなっても何とかなるだろうといった楽観的な考えだったのではないかと思います。


しかし実際そうした不安ごとがより身近なものになってくると、いつまでも楽観的に考えておられず、現実問題として取り組んでいかなければならなくなってきます。


そうなってくると、仕事に対する考え方も変化していく可能性があります。


仕事とその他の悩みを切り離して考えるということが難しくなってきて、より多くの視点で考えなければならなくなるでしょう。


いつまでも現場で第一線で働き続けられるだろうか、健康・家族・老後などとのバランスをどう調整・維持していくか。。。


またマネジメント、組織運営、事業創出など現場業務とは異なる職務に対して、どう向き合っていくかも悩ましいところです。


こうした上位の視座が必要となる業務はなかなか仕事として単純に割り切ったり片手間でできるものでもなかったりするので、自身の時間や優先度をさらに投入していかなくてはならないでしょう。


合わせて今後世の中の変化により今の業種や業界がどう変わっていくか不透明なので、それぞれの業界・業種ごとにどう適応していくことできるかどうかも悩ましいところです。


データ分析業界の今後


データ分析やデータ活用といったニーズ自体はこの先もおそらくなくならないだろうとは思いますが、そのニーズへの対応方法というのは様変わりしていくかもしれません。


データ活用ソフトウェアやサービスが発展してくると、営業やマーケター、経営陣などが自分たちで必要なデータ分析ができるようになって、データ分析の専門家はあまり必要とされなくなっていくかもしれません。


そうなるとツール開発のエンジニアやツールを使いこなすためのコンサルタントあるいはオペレーターにニーズがシフトしていくかもしれません。


需要と供給のバランスが変われば、待遇や給料も変わることでしょう。需要を供給が大きく上回るようなことになれば、データ分析職はアルバイトでも問題ないといったことにさえ将来なってしまうかもしれません。


既に一部そうなっているところもあるようですが。。。


とまあ悲観的なことばかり言っても仕方がないので、個人的にニーズがありそうな分野を予測してみようと思います。


ひとつはデータマネジメントの領域です。


ここは専任の担当者があまりいない割には必要と考えられている領域なので、今はデータエンジニアやデータアナリストが兼任してるところが多そうです。


またDMBOKのようなデータマネジメントの知識体系にも最近改めて注目が集まっているようです。


分析スキルは一般化されていくかもしれませんが、分析対象となるデータは今後もますます増えていくでしょうから、色んなシステム間のデータ連携や外部データの取り込みも今後もますます増えていくことでしょう。


その際に統合的にデータをまとめられるよう、ETL、名寄せ、セキュリティ、メタデータ管理などもニーズが増えていくことと思われます。


システムから切り離したところで対応するのも限界があったりするので、新たなシステム開発や改修の際にこうしたデータガバナンスをきかせたプロジェクト運営までできるようになると非常に重宝されそうです。


またデータクリエーションの領域も将来性はありそうです。


先ほど述べたようにデータは今後も必要とされていくので、現在データ化されていないものがデータ化できるようになると歓迎されると思われます。


これは既に色んな所で実装されています。データ化そのものが目的というよりは業務効率化のためのものといった方が良いのかもしれませんが、経理・法務・総務・人事などのバックオフィス業務は次々とデジタル化されていっていると思います。


それに伴い、統計レポートも出せるようになり、PDCAや業務管理がさらに効率化されていくという流れを実感しているところも多いでしょう。


他にも機械学習等を用いた画像解析や音声解析などの技術を使って、それまで非構造化データであったものが構造化されサービス等に活用されていくケースも増えています。


無人店舗運営、渋滞予測、不良品判定、病理検査、異常検知、人物認証などなど。。。


同じようにまだ構造化されていないが構造化できれば新たなサービスが作れたり、業務効率化やデータ活用が進められるようなものを考えてみるのも面白そうです。


個人的には健康データが簡単に構造化・可視化されるようになるなら是非使ってみたいですね。


今は手軽に入手できるのは体温、体重、体脂肪率くらいですが、健康診断などを受診しないとわからないようなものも例えば顔色などから簡単にデータ化できるようになったり、毎日の食事の画像をとれば栄養状態や病気のリスクなども手軽に可視化されるようになれば、健康状態の改善に役立ちそうです。


最後に


今後はおそらくデータ分析だけしかできないとそれだけでは食べていけなくて、他の経験やスキルもないとなかなか仕事にありつけなくなるかもしれません。


自分自身を取り巻く環境や状況も若い時とは異なってくる中、様々な世の中の変化に柔軟に対応していけるだろうか、自分自身納得のいく仕事ができるかどうか。。。


年を経れば経るほど、経験を積めば積むほど、選択肢は増えていくのか、減っていくのか、あるいは変化していくのか、悩みも複雑になっていってなかなか尽きないものだなと感じます。


そんなわけでこうした悩みはこうすればなくなる!といったような解決策まで思いついているわけではありませんが、とりあえずは引き続きこうした悩みのような話も情報発信していけたらとは思っています。


同じような悩みを持つ方々と交流できたり、業界の動向に関するアンテナを高くしたりできるかもしれないことなど期待しつつ。。。




ちなみにこの記事でブログ開設以来100記事目となります。次は200記事を目標に来年も頑張りたいですね。