みなさんはランチに何を食べるか悩んだことはないでしょうか?
そういう場合はたいてい思いつく選択肢も少なくて、結局いつもよく行くお店やよくたのむメニューに落ち着いたりしないでしょうか?
いつものお店の定番のメニューであれば、後で美味しくなかったとかお店選びに失敗したと思うことはあまりないことでしょう。
しかし、逆に思っていたより満足度の高いランチになったということもあまりないのではないでしょうか。
さてランチの満足度を高めたい場合、みなさんならどうしますか?
まず思いつくのは、少し冒険してみることでしょうか。
今までに行ったことのないお店に入ってみるとか、食べたことのないメニューにチャレンジしてみる。
運が良ければ普段よりも満足度の高いランチや食事体験ができるかもしれません。
ただ、人には現状維持バイアスや損を避ける傾向(プロスペクト理論)があるので、新しいお店にチャレンジしたけど失敗だったというのは避けたがるものです。
よって、少し冒険してみようと悩んだけど結局やっぱりいつものお店に落ち着いたということの方が多いという人もたくさんいるのではないかと思います。
ただし、一方でこうした冒険をたくさんしている人は、そうでない人よりもランチの際の選択肢は多くなると思われます。
そしてランチの満足度というものは人によって違う相対的なものではありますが、それでもお店の選択肢が二つしかない人よりも、たくさん思いつく人の方が満足度が高いことが多そうな気はしないでしょうか?
念のためにですが、ランチで高い満足度を得られそうな人は、たくさんのお店や料理を「知っている」人ではなく、新たなお店や料理にたくさん「チャレンジしてみた」人です。
人に聞いたり、ネットやテレビで話題になっていたから情報として知っている止まりでなく、実際にトライしてみて本当に満足度が高かったかどうかを知っている人です。
そうした人は、それまでの経験から得られた複数の選択肢からそのときの気分や状況に応じて満足度の高いランチをとれる可能性が高そうだ、と思いませんか?
さらに、そうした人は新たなお店にチャレンジするのもそれほど厭わないだろうし、そのチョイスも失敗する可能性は低そうだと思いませんか?
さて、この「選択肢」を「仮説」とみなしてみるとどうでしょうか。
筋の良い仮説を立てられそうな人とそうでない人の違いが見えてこないでしょうか。
筋の良い仮説が立てられるようになるには、仮説を立ててそれを検証することを繰り返していくことが重要ではないかと思います。
特に重要なのは検証するというフェーズです。
検証することでフィードバックが得られます。
「その仮説が正しかった、あるいは間違っていたということは、どういうことにつながるのか?」
「なぜその仮説は正しかったのか?あるいは間違っていたのか?」
「仮説が間違っていたなら、それとは別の新たな仮説を考えてみよう。」
「以前同様の仮説を検証したことがあるからそれは参考にできるかもしれない。」
仮説を立てただけで検証せずに終わっていた場合、それが正しかったのか間違っていたのかわからないので知見にはならず、ただ疑問が残るだけです。
しっかり検証することで、仮説通りだったなら次にどうするか、仮説が覆されたら他にどのような可能性が残されているか、選択肢を絞り込んだりPDCAを回したりして次の展開に進めるようにもなります。
お餅の絵を描き続けるだけでは、美味しいお餅が作れるわけではありません。
実際にお餅を作って試食を繰り返してみることが必要でしょう。
逐一生まれる疑問や仮説をなるべく逐一検証して、そういう癖というか習慣を身に着けてみるのもおすすめです。
データ分析の役割は仮説どまりの議論を先に進めるためのものでもあるので、データアナリストならば社内で一番仮説検証経験を積んでいるという姿を目指すのもありかもしれませんね。