岸田首相の国会答弁がSNSで炎上しているようです。
岸田文雄首相が27日の参院本会議で、賃金上昇やキャリアアップに向け、産休・育休中のリスキリング(学び直し)を「後押しする」と答弁した。
これに対し、SNS(ネット交流サービス)では「育児してない人の発想」「オッサン政権」などの痛烈な批判が広がった。
28日には「リスキリング」「産休・育休中」の言葉がツイッターのトレンド入りした。
なぜ、産休・育休中のリスキリングを後押しする必要があるのでしょうか?
少し調べてみたところ、以下のアンケート調査データが見つかりました。
INTECさんで実施されたものです。
【産休・育休に関する調査報告書】300人の産休・育休取得者に聞いた、これからの復職支援に必要なこと|Bizコラム|インテック
そこからいくつかアンケート結果を抜粋してみます。
やはり男女とも、「復職後の育児と仕事との両立」について不安に思う人が一番多かったようです。(5割以上)
また、より仕事に着目した項目として、「仕事の継続可否について」「今後のキャリアについて」の悩みを持つ人も一定数いるようです。(それぞれ2~3割)
男女の比較でいうと、男性は「今後のキャリア」女性は「仕事の継続可否」の方が比率が高くなっています。
また以下のデータを見ると、こうした仕事やキャリアの不安に対して、会社からの支援があったかどうか?については半数以上が特になかった、とのことです。
岸田政権の答弁もおそらくこうしたデータ等を元に、国としてリスキリングの後押しを行った方が良いのではないか、と判断されたのではないかと推察します。
そもそも少子化対策の一環でもあるのでしょう。(記事にはその言葉は登場してませんが)
子供を産んだとしてもその後様々な課題やデメリットがあるとすると、子供を産むこと自体躊躇してしまう可能性があります。
育児というのもそのひとつでしょう。
私には今のところ子供はいないので育児の大変さは実感として理解していませんが、育休という制度が必要とされているくらい、仕事と簡単に両立できるものではないことは理解できます。
せっかく育休という制度があっても、復職後の仕事やキャリアに不安が強いのであれば、育休という制度を利用することさえ躊躇されてしまっているのではないだろうか、と思います。
それによって、仕事と育児両方の負荷が圧し掛ってきて多大な苦労をしたことのある夫婦からすると、次の子供を産むことも躊躇したりする可能性は高いのかもしれません。
子供のいない夫婦であっても、先人のそうした様子を見れば、同じ感想を抱いてもおかしくはないでしょう。
岸田政権の答弁はそうした少子化対策のためのひとつの取り組みと言いたかったのかもしれません。(ひょっとしたらどこかで既に言及されてたのかもしれませんが)
またちなみにですが、6歳未満の子供を持つ夫婦の育児に要する時間は以下のようです(2021年)
妻・・・4時間
夫・・・1時間
夫婦で合計して5時間です。
上記の数字も産休・育休中とは書かれてないので、産休・育休を取得でき、育児にもっと時間がかけれらるのであれば、もう少し長くなる可能性はあるでしょう。
しかし、家事の時間や睡眠・食事といった生活の時間があることを除外しても、育児だけで残りの時間全て使うということはないのではないでしょうか?
復職後の仕事やキャリアに不安を持つ人も多いようですし、産休・育休中にそうした面に全く時間をかけないのはそれはそれで不自然な気もします。
どうしようか悩んだり、業界動向などだけでもキャッチアップしようとして情報収集したり、関係者に定期的に相談したり、リスキリングのために勉強しようとしたりするのはあり得る気がします。
彼らの悩みに答えるのに、「リスキリングの後押し」が特に適切なのかどうかはまた別の議論ですが、復職後の仕事やキャリアに不安を抱える人に何らかの対応はあった方が良さそうですし、それは少子化対策にもつながるのではないかと思います。
キャリアに不安を感じてない人たちだけでなく、上記の彼らの声や意見も出てくると、また見方も変わってくるかもしれませんね。