データ分析とデータ活用の違い

データ分析とデータ活用の仕事は似て非なるものです。


スキルセットも結構違います。


なので、データ分析をしたい人や仕事にしてる人は昨今の情勢で多くいると思いますが、そうした人たちがデータ活用推進もできるかというとそうとも限りません。


ということでデータ活用を推進してる人はあまりいないのかな、とX(Twitter)でつぶやいたところ、反応してくれる人も何人かおられたので、仲間がいてうれしい限りです。


せっかくなので私がデータ活用の推進としてどのようなことをしているかざっくりと紹介したいと思います。


まず、データ活用といっても幅広いものです。


企業活動では様々な業務があるので、そこかしこでIT化・デジタル化が進み、データのやり取りが発生しています。


それそのものがデータ活用といっても差し支えないのかもしれません。


ではデータ活用を推進するとはどういうことなのか。


そもそもなぜデータを使うのでしょうか。


昔は売上や費用の管理は帳簿で行われていました。


今は大体ITツールを使っているところがほとんどでしょう。


デジタル化してデータで処理するのはいくつか理由がありますが、主要なものは「効率化」と「正確性」です。


目的やルールが決まっているので、如何にそれに向けて短期間で正確にたどりつけるかが重要なのです。


なので究極的には「自動化」が目指す方向性です。


例えば、「営業」を自動化することを考えてみましょう。


こちらから訪問して営業をするのではなく、向こうから顧客候補がアクセスしてくれるようになれば自動化に近づきます。


次にアクセスしてきてくれた顧客とコミュニケーションをとって、商談につなげる必要があります。


ここも理想像としては、こちらが何もせずとも顧客側から見積もり依頼を出してくれ、こちらは自動的に見積もりを作成し、顧客に提出することです。


あとはそれで実際に商談が成立すれば、納品・請求等を行います。


ここも、システムで半自動的に対応できる仕組みがあれば、ベターですね。


ただ、全てこのようにスムーズに自動化できるわけではありませんし、これだけだと顧客数に限界があったり、取りこぼす顧客も多々発生します。


アウトバウンドで顧客がやってきてくれるようにするには、企業や商品のブランディングや販促の活動も必要です。


アクセスしてくれた顧客も全て見積もり依頼を出してくれるわけではないので、少し興味がある程度の顧客も取り逃がさないようにするためにはこちらからアクションが必要です。


具体的には顧客のニーズの発掘、課題があればそれに応じた提案や情報提供などを行い商談化につなげる行動が必要になります。


また既存顧客を放置しておくと競合企業に流れてしまったり、サービス解約してしまう恐れもあります。


逆に新たなニーズを発掘できればアップセルやクロスセルが可能な場合もあるでしょう。


そうした顧客対応も必要になるでしょう。


納品・請求においては顧客によってあるいは状況によってイレギュラーな対応を求められる場合もあります。


どうしても既存システムで対応できず、かといって対応しないでいると顧客を取り逃がす恐れもあるので、人が動かざるを得ない場合もあるでしょう。


以上のようなときにアナログな業務も発生し、データが活用されていない場面が出てきます。


なるべくそうした際にもデータ活用できるようにして、自動化(効率化・正確性)を進めていくのがデータ活用推進の仕事です。


究極的には社長がどれくらいの売上を目標にするか決めて、そのために必要な費用を確保して投入すれば、後は自動的にその売上が上がってくる状態と言えるでしょうか。


ただ企業活動は非常に多くの業務があります。


時勢や時流などに応じて新たな業務が発生したり、業務を変更しなければならないこともいくらでもあります。


売上をもっと伸ばしたいとなれば、その規模によって新たな市場の開拓や新商品の開発を行う必要もあるかもしれません。


利益をもっと増やしたければ、現状の仕組みを大きく変えコスト効率の向上も必要になるでしょう。


それらすべてを「即座に」デジタル化し自動化していくことは非常に困難です。


だからこそ、アナログな業務も残り続け、とはいえデジタル化も進めていくといういたちごっこが続いていくのでしょうね。


ということでデータ活用推進のお仕事は、DX推進のお仕事と近いと言えるかもしれません。


とはいえ、私の場合はITツールやSaasの導入をやっているわけではありません。


既にツールを使用している業務でも完全自動化されているとは限らなくて、人の手による作業やアナログな業務も介在していたりすることが多々あります。


そうした領域の業務やその管理を、データを活用していかに正確性を担保し効率化していけるかの支援を行っていたりします。


既存のツールの多少の補完機能を開発したりすることもあります。


あとは業務側を変革するよう業務コンサルに近いことをする場合もあります。


効率性を判断するのは作業に必要な時間を短縮するだけでなく、その業務がKP'Iの改善に効果が高いのかといった観点で行うこともあります。


KPIにあまり貢献しない業務ならば、いっそなくしてしまって別の優先度の高い業務にリソースを振り分けるということが必要な場合もあるでしょう。


そもそもKPIをきちんと設計し、管理できる仕組みを入れることは基本なので、それができてない場合はそこから着手したりします。


データの整備やそれを使ってKPIの可視化やレポートを作ったりもするので、その辺りはデータ分析の仕事に近い部分ではあります。


ただあくまでアナログや属人性を排除し、自動化に近づけることが目的です。


あとKPI関連だと、現場の業務だけでなくマネジメントサイドの管理業務の改善支援も手掛けたりします。


このようにデータ活用推進の業務範囲は結構広いので、日々学ぶことや新たなチャレンジも多いです。


しかし、シビアに結果も求められるので重圧もそれなりにあります。


データ分析「だけ」したいという人にはあまりお勧めできませんが、なぜデータ分析したいのかを突き詰めるとこの業務に行き着く人もいるのではないかと思うので、そうした人とは切磋琢磨していきたいですね。