分析する必要のないデータ

今やプロダクトやサービスはオンライン化がどんどん進み、取得可能なログデータもどんどん増えつつあります。


それに伴い、各機能の利用状況、利用頻度、利用傾向など様々なものが可視化できるようになり、多くのレポートが開発されています。


しかし、それらは本当に全て必要なものなのでしょうか?


それらの数値が変動すると、KGI(売上や顧客数など)も変動するのでしょうか?


もしKGIに影響しないとすると、その数値をモニタリングする意味は何でしょうか?


その数値は果たしてKPIとして追うべき指標でしょうか?


もしKGIに影響しているとしても、その数値を改善するために実アクションを伴う介入を行っているでしょうか?


ただ見るだけで終わっていないでしょうか?(見る頻度も低下していないでしょうか?)


「データがあるならとりあえず可視化して見てみよう」という思考の方がたくさんいると、必要のないレポートがたくさん生成されてしまうことになりかねません。


KGIに影響しないのであれば、そのデータを見る意味は基本的にないのではないでしょうか。


KGIに影響するデータかどうかわからない場合は、数撃てば当たるという考えで、とりあえず色々調査してみるというやり方もあるかもしれません。


しかしその場合は、そうした新たなデータを分析する以前に、そもそも既存業務ですらKGIに影響しているかどうかはっきりわかってない、なんてことはないでしょうか。


もしかすると、これまで見ていなかったデータを見て新たな何かを探すよりも、まず先に既存業務を振り返ってみることにデータを活用してみる方がよいのかもしれません。


既存の業務やこれまで行ってきたことはKGI達成やKPI改善に効果があったのかどうか。


不要なもの、改善すべきもの、方針を変えるべきものはないか。


これまで当たり前とか正しいと思い込んでいることが、本当に正しいのかを調べてみると、意外な結果が出てくることもありえます。


データは、あれこれ分析して意思決定に使用するよりも、先にKGIやKPIに沿ったアクションができているか検証することに使ってみると、データ活用が進む可能性があります。



このデータは分析する必要のあるものか、そうでないか。


優先度も合わせてきちんと判断できるなら無駄を省けて効率的に分析できることでしょう。


ただもし判断が難しい場合は、一度分析してみて結果で判断するのも一つの手ですが、判断できるようになるにはどうすれば良いか、とひとつ視座を上げて考えてみるのもスキルアップにつながるかもしれませんね。