顧客分析のやり方

今回はよくある分析テーマとして、「顧客分析」のやり方を紹介してみます。


顧客分析は、顧客を複数の顧客群(セグメント)に分けて、その顧客群同士を何らかの指標で比較することで違いを明らかにすることです。


例えばある施策を実施したときに、反応した顧客と反応しなかった顧客に分けて、それまでのそれぞれの行動履歴をデータから分析して、施策に反応した顧客の行動と反応しなかった顧客行動の違いを明らかにします。それを元にどうすれば反応する顧客を増やせたのかを考えたりします。


またCRMを導入しているところでは、あらかじめ顧客を複数のセグメントに分けておいて、各セグメントグループごとに戦略を考え、施策を実行し、KPIを管理しているというケースもあります。


セグメントの分け方は色々ありますが、基本的には顧客とのコミュニケーションの量・深さ・種類などで分類するのがよくあるパターンです。


※量:購買回数や購買金額などの多寡やキャンペーン参加有無などで分類

※深さ:潜在客か見込み客か一見客か常連客かなどの分類

※種類:購買商品や利用サービスによる分類


セグメントに分類後は、各セグメントをなるべく詳しく定義します。


・どのような人物像なのか?
・価値観やインサイト(心象)はどういったものか?
・どのような行動をとりがちなのか?(その理由は?)


そして各セグメントにはどういったアプローチや商品が有効なのか?を販促部門や商品開発部門と一緒に検討します。その際に、顧客データを分析してセグメントごとの定量的な違いを明らかにすることで客観的に人物像を検討する材料を集めたりします。(時にはテストマーケティングを行い、効果検証なども実施します)


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rawpixelによるPixabayからの画像



一方、顧客データを分析することで思いもよらぬ知見を発見したい、ヒット商品の何かのヒントをつかみたいという目的の「顧客データマイニングというものもあります。顧客分析を依頼するクライアント側は、あらかじめこちらのことを想定している可能性も高いので、最初にお互い認識合わせをしておかないと後で誤解を招く可能性もあるので要注意です。


ちなみに顧客データマイニングを行うと合意した場合でも、ゴールイメージと何をやるのかといった具体的な内容を最初に整理した上でそれらもクライアント側と合意を得ておかないと、これまた誤解が生じる原因になってしまいます。


そもそも思いもよらぬ知見やヒット商品のヒントとは具体的にどういった類のものか?は仮説ベースでもいくつか明文化しておかないと、そもそも何を探して良いのか途方にくれますし、もしいざ何か見つかったとしてもそれが目的に叶うものなのか客観的に判断できません。さらに、まず何から手を付ければ良いのか、どのようにタスクを進めれば良いのかといったことも決められません。


なるべくなら、とりあえず何か分析してその結果(データ)を見てから、次にやることを考えるというような場当たり的なアプローチは避けた方が良いかと思います。そのやり方ではいつになったら目的の知見が見つかるのか見通しも立ちませんし、プロジェクトの終了タイミング(引き際)も見誤ってしまう恐れもあります。


例えば以下のような目的を明確にして作業方針を立てれば、「できた/できなかった」「ここまでやった/ここがまだできていない」などの進捗やタスクの管理もしやすくなります。


・想定ターゲットと異なるターゲットを探したいのか?
・想定しない顧客行動を探したいのか?
・想定しない商品・サービスの使い方を探したいのか?
・想定しない商品・サービスの選択理由を探りたいのか?

などなど


顧客分析は、顧客の何を知りたいのか? 何のためにそれを知りたいのか? を最初に定義する、もしくはプロジェクトを進める中ででも都度振り返って確認すると意義のあるものになる可能性が高まるのではないか、と思います。