MAUの見積もり方

MAUとは何か


MAUとは、Monthly Active Users(月間アクティブユーザ数)の略です。


WebサービスやアプリなどのKPIとしてよく使用される指標です。


ダウンロード数や登録数を増やしても、コンテンツなどに問題があってユーザがどんどん離脱しているようではMAUはなかなか増えていきません。


ユーザに継続的に来店(利用)してもらうための仕組みが必要になります。


そのためサービス提供者側はこうしたMAUのような指標をモニタリングし、アクティブなユーザ数をチェックしようとします。


ソーシャルゲームのようにほぼ毎日アクセスがあるようなサービスでは、DAU(Daily Active Users)を確認したりしますが、そこまで頻度の高いサービスでなければ通常はMAUをモニタリングすれば良いかと思います。


実店舗の顧客に対してもポイントカードを導入するなどしてIDを管理できるようにすれば、全ての顧客は無理にしてもおおよその継続顧客の傾向は把握できるようになります。


MAUが増加傾向にあればサービスとして成長しており、逆に減少傾向にあればサービスとして縮小が見られ、あまり増減がないようであればサービスとして成熟してしまったあるいは停滞していると判断できます。


MAUの見積もり方


さて、こうしたMAUをKPIとしてモニタリングしていると「今後どのように推移するのだろうか?」「このまま行けば目標値に達するのだろうか?」が気になってくると思います。


さらに、月初に今月は先月よりもMAUが増えるだろうか?などを気にする人も出てくるでしょう。


精緻に見積もりたいのであれば、MAUに影響する変数データを調査して、それを使って時系列予測ないしは重回帰分析を行うとそれっぽい数字が出てくると思われます。


ただし、その影響変数も例えば天候のように今後が未知数のものであれば見積もりが難しくなります。


ちなみに未知数の値を予測してその値を使って別のデータを予測するのは誤差が重なってズレが大きくなる可能性が高いので、あまり予測に予測を重ねるのは精度が悪くなるかもしれないので注意です。(欠損値を埋める場合などは除く)


なお、現在の新型コロナや過去ではリーマンショック等といったものの影響を予測するのはほぼ不可能なので、今後何が影響して予測を外してくるかは本当にわかりません。


成長、停滞、縮小の傾向をシンプルにとらえるだけであれば、回帰分析で過去のトレンドを分析すればわかるでしょう。


もちろんそのトレンドが今後も継続するとは限りませんが、重要なのは「このまま」いくとどうなるかではなく、「このまま」が何に起因しているのか?を分析することです。

・各宣伝やプロモーションによってどれくらいユーザが獲得できるのか


・何もしないと(ブランド力?)どれくらいユーザが増えるのか、減るのか


・既存ユーザの離脱率は大体変わらないのか(自然減なのか)


・どういうときに既存ユーザの離脱率は上がるのか、などなど


MAUの予測精度を気にするよりも、MAUに影響する変数を洗い出してそれをモニタリングし、異常が見られそうであればその対策をいち早くとれるようにすることの方が重要です。


一方でメーカーや小売など仕入れや在庫が発生するビジネスでは、コスト削減や機会損失を防ぐために精緻の高い需要予測が求められますが、こちらも精度を高めるには影響のある変数を見つけることがポイントとなるので根本的な分析方針としては共通ではないかと思います。