データアナリストのマネージャーに必要なスキル

部下目線のマネージャー


・相談しやすい
・いざというときサポートしてくれる


いわゆる360度評価を行うと、上記のような上司へのコメントがよく上がってきてます。


確かに最近身近にもそのような管理職が増えているように感じます。


元々そうした性格の人が管理職についているというのもありますが、昨今の働き方改革や人手不足などの風潮も相まって、特に若手の部下が辞めないように気を遣っての行動という面もあるのではないかと思います。


一方同時に下記のような不満が出てくるのもよく耳にします。


・属人的な業務が多々残っている
・不要な会議や報告書作成など無駄な業務が多い
・ノウハウやマニュアル等がきちんと蓄積・管理・共有されていない


これらの声は直属の上司への不満というよりは、自部署以外も含めて会社全体への不満なのかもしれませんが、実際のところは会社の問題というよりやはり各部局の管理の問題に帰着するのではないかとも思います。


すなわちだれの責任かと言われれば、管理職の責任であるということになるのでしょう。


ただ、上司は上司で部下に辞められたくない・嫌われたくないと思っている、あるいは部下が指示待ちではなく自発的に仕事をすることを望んでいるので、部下が助けてほしいといえば助けるが、基本は自由にさせて細かく口出ししないようにしていた結果なのかもしれません。


ちなみに上司がこのような対応をしていても、部下が優秀であれば上記の不満・問題はあまり出てこないだろうとも思います。


優秀な部下は全て自己判断で突っ走るというようなことはせず、関係者には適切な報告・連絡・相談を自分から行いますし、情報等も自分ひとりで抱え込むようなことはせずに必要なドキュメントとしてきちんと作成・管理・共有します。そうすることが、自身の業務効率化にもなるということをわかっているからです。


すわなち、上記の不満の原因はある意味部下側の問題というのも少なからずあるとは思います。


しかし通常はそのような優秀な部下ばかりでもないでしょうから、そうでない部下に合わせた管理もやはり必要です。


部下の自立心を養うためといっても、何でも部下任せにして放置しすぎるのも良くないでしょう。(もちろんガチガチにマイクロマネジメントするのもダメでしょうが)


さらに部下の目標設定を部下にさせるというのも私からすると結構不思議な慣習に感じます。


部下からすると基準もわからないし、達成したところでどう評価されるのかもわからないままではないでしょうか。


部下個人がこうなりたい、こうしたいとか、あるいは上司の目から見てここが弱いとか苦手なものを克服させようとして設定するのは、チームの目標に関連するものならともかくどちらかといえば育成計画とかキャリアプランであって、評価のための目標設定とは別にした方が良いと思います。


チーム目線のマネージャー


上司にとって負荷はかかりますが、上司がチームの目標達成を前提に、他のメンバーとのバランスを見ながら、かつ部下に何を期待しているのか明確に伝わるように設定すべきではないかと思います。


ということで、管理職は少なくともチーム目標をもとに各メンバーの目標や期待値、合わせて基本的な業務方針やルールなどをきちんと整備するくらいはやるべきではないでしょうか。


特にデータアナリストなどはどうしても業務の進め方が固定ではなく各人の経験やスキルに依存する部分が大きいので、担当が変わると全くやり方やアウトプットが変わるということが起こりやすい職種です。


仕事の進め方を一から全て部下任せにしていると、品質にもかなりバラツキも出てくることでしょう。


かといって上司が細かく仕事の進め方を指導したり管理したりするのはやり過ぎかもしれませんが、最低限仕事の進め方のテンプレートやマニュアル、過去の案件の事例や資料、Wiki掲示板等の情報共有ツール、トレーニングコンテンツなどは整備しておいたほうが良いと思います。


またデータの集計や統計・分析の解釈等でミスがなるべく出ないように、チェックを行う仕組みもあった方が良いでしょう。


チームのパフォーマンスを最大化するマネージャー


マネージャーのミッションは管理するチームのパフォーマンスを最大化することであるとよく言われます。


部下がそれぞれパフォーマンスを発揮できるように、余計な口出しをせずにただフォローに徹するという上司であれば、チームのパフォーマンスは部下次第ということになります。


部下が優秀であれば達成できる可能性が高く、そうでなければ可能性が下がる、それは果たしてマネージャとしての評価につながるものなのでしょうか。


もちろんマネージャにも様々なタイプがいるので、一概にどれが正解というのは難しいでしょう。(チームとしての評価という意味では結果させ出せばあり、と見なされることもあります)


マネージャーにはコーチングも含まれるので、仮にスポーツの世界で例えると、超一流選手を相手にするコーチもいれば、学校の部活や子供向け教室等で青少年育成を主とするコーチもいます。選手の自主性に任せてのんびり育てるのが得意なコーチもいれば、スパルタで厳しく管理するのが得意なコーチもいます。またバランス派もいます。


データアナリストの世界でも各種タイプがいると思いますが、スポーツの世界等と異なりごく少数の超一流選手を輩出するよりも、人手やスキル不足といった環境の中でもチーム全体を底上げして結果につなげることのできる、有名高校の野球部監督のようなタイプのマネージャのほうが今のところは必要とされているのではないかと思います。


ただ今後は、超ハイスペックデータアナリスト(ビジネスマン)を短期間で育成することを専門に手掛けるコーチングビジネスなんてのも出てくるかもしれないので、それはそれで結構興味があったりします。