あまり多くないケースかもしれませんが、今回は商品開発の際に行うデータ分析について紹介してみようと思います。
商品開発を行うときには参考として各種市場データを参照されることは多いようです。
そうしたデータを元に、今後のトレンドなどを判断して複数パターンの商品開発(プロトタイプ)が進められます。
そして実際の商品化や販売の企画チームが入ってどれを商品として販売するかを決めていく流れのようです。
商品開発の現場ではデータ分析の専門家が入るということはあまり多くなく、データも調査機関や部材メーカー等から提供される統計データをそのまま活用するようです。
いわゆる一般的なマーケットの全体傾向であったり、部材自体の仕様に関するデータであったりなどは見せてもらったことがあります。
特に自社で収集が難しい他社やマーケットのデータなどは参考になるでしょうから、そうしたデータを参考にすることで商品の改善が進められたり、今後のヒット商品が生まれる可能性はもちろんあるでしょう。
こうした状況において、データアナリストがチーム入りした際にどのような分析ができるでしょうか?
私が過去に担当した案件では詳しいことは守秘義務のため紹介できませんが、大まかに以下の観点で分析をしてみました。
・ホワイトスペースの探索
自社の販売データを元に、顧客特性と商品特性から関連マーケットにおいて未進出の領域を明らかにしました。
マーケットのホワイトスペースが分かれば、そこに対して手を打つかどうかという判断が可能になります。
もちろん自社にとって未進出であっても、マーケットとしてそこはレッドオーシャンである可能性もあるので、安易に進出しても効果が出るとは限りません。進出の判断においてはさらに検討が必要なのでご注意を。
・マーケット特化傾向の分析
こちらは上記と逆にすでに強みのある領域で、その領域におけるハイレベルのニーズ等を明らかにし、さらに優位性を確保しようという戦略のための分析です。
分析方法としてはヘビーユーザを対象としたものになります。
・効果的な組み合わせ
親和性の高い商品の分析です。ケースによっては機能をまとめるとか、統合して商品の品質等を向上させることが可能になります。
・不要な部分のそぎ落とし
組み合わせの逆です。親和性の良くない商品・機能等を分析し、不要な機能をそぎ落としてコスト削減等が可能になります。
以上、商品開発におけるデータ分析例としていくつか紹介してみました。
当然これがすべてではないですし、最適解であるとも限りません。
というか、別段珍しい分析というわけでもなく、経験ある方ならどういうことをしたのかイメージも付くでしょうし、それほど難しいものでもないでしょう。
ただ上記の案件では、元々外部データはよく活用されていたものの、自社データの活用がまだあまり進んでいなかったため、新たな視点が得られたなどなかなか好評でした。
クライアントのTOBEをきちんと把握して、できること×相手の課題/ニーズの中から必要なデータ分析を判別することは基本でかつ重要ですね。