データ分析が向いているのはどんな人?

データ分析に向いている人とは、数字感覚のある人ではないかと思います。


数字感覚とは、物事を把握するときにそれを感覚的ではなく定量的に捉えることができる能力のことです。例えば、「寝坊したのは昨日夜ふかししたせいかな」は感覚的な把握で、「寝坊したのは昨日3時間しか眠れなかったからかな」が定量的な把握です。


ものごとを定量的に捉えることができると、モノサシを持っている状態になるので、ひとつひとつの判断や意思決定においての精度も上がります。先ほどの「寝坊した原因」にしても、


「夜更かししたから眠い」⇒「今日は夜更かししないでおこう」
「3時間しか寝てないから眠い」⇒「今日は7時間は寝れるよう12時には寝よう」


だと、後者の方が翌日寝坊する可能性は低くなるように思いませんか?


ということでこの数字感覚というものはいまや多くのビジネスマンにとって身に着けるべきスキルとなっているようです。とはいえ、この感覚は常日頃から様々な事象を数字でとらえることを意識し続けていないとなかなか簡単に身につくものでもないかと思います。(最初から可能な人ももちろんいるでしょうけど)


ただデータ分析を仕事にしていると、仕事の様々な場面で定量的な数字で事象を語るあるいは報告する機会が多いので、自然とこの感覚も身に着きやすいのではないかと思います。


逆にいうと、データ分析の仕事をしているにも関わらず数字感覚がない、あるいはなかなか身につかないとなると、厳しいことになります。時にはクライアントなどから色々と相談を受けたりすることもあると思います。そうした際に、定量的なデータを使って回答したり、説明したりしなければならない場面も出てくると思います。あらかじめ必要なデータの準備をしておくことももちろん可能ですが、話題が広がったり想定外の話になることもあって、臨機応変に対応できなければならないということもよくあるので、その種のデータは把握していないとか、数値感がわからないと言ってその場で柔軟に対応できないことが頻繁にあると、信用を下げてしまう恐れもあります。


また、データの集計を行う際も、結果の数値を見て違和感がないかどうか判断できると、もしミスをしていた場合いち早く気づくことができたりします。もしミスをしていてそれに気づかず、そのデータがクライアントやステークホルダーに伝わってしまうとビジネス上大きな損害につながる場合もあるので、ミスを低減させる意味でも重要な素養です。


これまで私が見てきた中で、データ分析の経験があまりないとかあるいは転職したてで扱うデータに慣れていないという人であっても、まずはよく使われるであろう数字を意識して覚えようと努めている人は、比較的早くに数値感覚を身に着けているようです。


もし数値感覚が身についているかどうか自信がなければ、同じようにまず主要な数字を記憶していざというときにパッと思い出せるようにチャレンジしてみると良いかと思います。少なくとも例えばKPIなどの重要な指標や、客数・客単価・主要商品やサービスのコンバージョン率などのような代表的な指標は、もし覚えていなければ真っ先に覚えるべきです。それらの数字はビジネス上よくトピックスに上がるので使用頻度は多いでしょう。またそれらを知っていると色々と応用も利きます。例えば自社のここ最近の平均客数を知っていれば、他社の客数がわかったとき比較して多いのか少ないのかすぐわかるなど、モノサシとして他の数値の評価ができます。また例えば平均の客単価を知っていれば、今月の客数がどう変動すると売上がどう変わるかシミュレーションできるなど、主要数値を元に派生した数値を推定することなども可能です。


データ分析の向き不向きについては他にも色々な要素があるかと思いますが、私がまず真っ先に思い浮かんだのは今回紹介した「数値感覚」でした。またほかに思い付いたものがあれば紹介してみたいと思います。