新型コロナ影響下におけるデータ分析

新型コロナによる影響そのものについては、日々のニュース等によって感染者数の日次推移やエリア別の分析が紹介され、医療や感染症の専門家による今後の見通しなどが語られています。


さらにそうした環境においては、様々な商品やサービスも平常時とは異なる需給状況となっています。


マスクや消毒液などはずっと需要が供給を上回っていますし、一時期はトイレットペーパーや一部の食料品の買い占めが発生していました。


旅行や外食などの業界は自粛の影響もあり、大幅な売上ダウンとなっています。業種によってはお店を閉めたりオープン時間を短縮するなど、サービス提供形態まで変化しています。


一般企業では平常時においてはいかに売上を増加させられるか、コストを削減できるかといった収益面の改善が主たるビジネス目標ですが、今の状況では顧客や従業員の生命や健康をいかに守れるかを一番に考えてビジネスを行うところが多数になっていると思います。


そのため、顧客の来店や社員の出社を制限するなどの環境を前提とした上で、いかに事業としても継続性を保っていけるかというBCPが改めて注目されています。


そうした中データ分析の領域で求められるものは、現状の正しい把握や今後の予兆やリスクを分析することなどでしょう。


新型コロナ影響以前や昨年同時期と比べた需要の変動の確認、平時とは異なる環境下における今後の売上の見立てなどは早期に確認が必要となるでしょう。また今後の戦略を立てる上では、チャネル・商品・地域・体制などどういう形でリスク分散をしつつ事業継続が可能となるか検討されるでしょうから、その際のシミュレーション等において活用するために、現在の売上やコスト、リソース状況などを様々な粒度で分析することも求められるでしょう。


現在の状況では売上の落ち込みやコスト増加などマイナス要素があっても、それが新型コロナが要因であればこちらからのアクションによって改善できる見込みは薄いため、マイナス要素そのものをどうなくすかというよりも、マイナス要素を他でどうカバーするかがよりポイントになってきます。


そのための手がかりとなる客観的なデータを提示して、BCP観点での戦略立案にどう貢献できるかが今はデータアナリストにも求められてくると思います。


売上アップやコスト削減への貢献といったわかりやすい成果は出しにくい領域かもしれませんが、この状況を乗り切ることで大きなやりがいにもつながると思いますし、我々もできることをしっかり頑張っていきたいですね。