データドリブンな企業を目指されているところはたくさんあることでしょう。
データドリブンとは、企業内の様々な意思決定やアクションをデータをもとに行っていく状態を指すようです。
こうしたデータドリブンを実現するにはどのようにすればよいのでしょうか。
企業内の人々にデータリテラシーやデータ分析を身に着けてもらい、自然とそれらを活用していくようマインドから変えていくというやり方もあるでしょうし、データを利活用しやすいようにデータ環境を整えることから始めていくというやり方もあるかと思います。
ただ、各担当者が色んなデータを見たがるようになった、報告書が分厚くなった、見られてるかどうかわからないがBIレポートがたくさんできた、といった現象だけだと結果的にデータドリブンで業務が進められているとは限らないので要注意です。
実際、データドリブンが浸透するまでにかなりの時間がかかったり、思うように浸透していかないと課題を抱えるところも少なくないようです。
そのためなるべく短期的に少しでも成果を出すためには、対象業務を絞ってギャップ分析を行い、具体的に改善していくのが良いのではないかと思います。
なお、ギャップ分析とは現状(ASIS)とあるべき姿(TOBE)を明確にして、その違いをどう埋めるか、違いを埋めるために何が必要かなどを具体的に考えるやり方です。
例えばマーケティング業務の予算計画と販促企画について考えてみましょう。
予算計画はうまく立てることによって、成果や効果を最適化できるのが理想かと思います。
そのため担当者は限られた予算をどう配分すべきか、配分された予算をどう使って販促施策の効果を最大化するかを悩んでいると思います。
しかし、それが担当者のカンや経験を元にした属人的な考えによるものだとすると、もしよい結果をもたらしたとしても偶々なのかもしれませんし、状況や担当者が変われば再現性はなくなるでしょう。
予算配分や企画立案がそうした状態では、効果の見積もりも難しくなり、結果もやってみないとわからないで済まされているかもしれません。
もしもデータを元にある程度効果を精緻に見積もったり、経験者の知見を言語化してデータで裏付けもとることができれば、そうした情報を使って予算配分や企画立案の仕事も最適化や効率化を進められる可能性はあります。
その場合、最初に全体の予算からどれくらいの集客効果が狙えるのか、データをもとに計画を立てます。
そしてデータを活用して、いつどのような販促をどれくらいの予算で行えば、その期待効果はどれくらいかを数値で見積もれるようにします。
こうした状態がTOBEであるとすると、そのためにはどのようなデータやその分析方法が必要かなども考えられるようになるかと思います。
(ちなみにこれはこれですごく難しいことですし、いきなり高い精度が出せるかというとおそらく厳しいので、PDCAをしながら少しずつ改善していく形になるかと思います。)
もしそうしたデータがなければ新たに収集・管理するために時間がかかるかもしれませんが、あまり役に立たないデータをたくさん集めてどう使えば良いか悩むよりは効率的かもしれません。
なお、データドリブンを実現するためには対象業務がデジタル化されていて、業務ログデータが収集・管理されている必要があると思われます。
先ほどの販促の例でいうと、過去こういった予算でこういった条件で行った施策ではこれくらいの集客効果があった、などのログイメージでしょうか。
いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)も必要になるというと、さらにハードルが上がる可能性もありますが、データドリブンを実現したい業務はどこからか?をしっかり考えることで、DXをどこから始めるかの優先順位付けにもなるかもしれませんね。