データ分析ノウハウの紹介

データ分析ノウハウが公開されない理由


データ分析は個々の企業で行われていますが、事例として公に紹介されることはあまり多くありません。


顧客に対して誤解や不安を与える可能性があったり、企業の戦略等の機密情報に関連する場合があったりするなど、なかなか公表しづらい理由があるのかと思います。


先日もリクナビの内定者辞退予測が世の中に大きく問題として取り上げられたように、データ分析の内容次第ではマイナスイメージをもたらす可能性もあります。


とはいえ、「AIに取り組んでいる」とか「AIを使ったプロダクトやサービスリリース」とかいうPRだけはよく見かけますが。(ただし、これも具体的な中身はほとんど不明ということが多いようですね)


データ分析ノウハウの紹介


さて、というような背景がありますが、今回はそうしたあまり公にされていない分析ノウハウをあえて紹介してみようと思います。


といっても、私が独自に見つけたとか、自社の戦略や顧客に関連するものではなく、ある程度知られたノウハウなので、問題ないでしょう。


そもそも分析ノウハウというと、なんだかすごそうと思われるかもしれませんが、「データを分析してわかったこと(再現性あり)」なので、世紀の大発見というようなものではなく、日常的にデータアナリストがよく目にしているものです。


それらも日々新たなノウハウが発見されているのか?というと、あまりそんなこともなく、元々マーケティング領域などでは、先人の方々がすでに様々な実験をして多くのノウハウやナレッジが解明されており、そのノウハウまたはその類似ケースの再検証であるということがよくあるパターンかと思います。


特に行動経済学や心理学などの分野では、マーケティングに活かすための研究はたくさん行われてきており、ググるとたくさん見つかることでしょう。


以前書いた以下の記事もそのひとつですね。


custle.hatenablog.com



他にもマーケティング分野ではよく知られているノウハウをひとつ紹介します。


それは、値引きとポイント付与とどちらが効果的でしょうか?というものです。


答えは、昔からポイントカードを導入するお店がたくさん存在していますし、TポイントやPontaポイントなど共通ポイントが流行している状況を見ればなんとなく想像つくかと思います。


ちなみに、詳しくは以下で紹介されています。(全てのケースにおいてではないので注意してね)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmd/20/2/20_1/_article/-char/jawww.jstage.jst.go.jp

商品単価が低く値引率・ポイント付与率も低いときには,ポイント付与の方が値引きよりも売上効果が高くなることが確認された。小売業が低いベネフィット水準においてプロモーションをおこなう場合には,値引きよりもポイント付与の方が有利であることが示唆される。


他にも、ロイヤリティプログラムの設計や、マーケティング施策のチューニング方法、棚割りによる販売傾向の違いなど色々あるので、まずデータ分析からはじめないと何も戦略や企画が立てられないなんてことはないはず。。。


データ分析ノウハウを知ってデータ分析に取り組む


マーケティング領域でデータアナリストになりたい人やスキルアップしたい人は、こうした行動経済学の実験や論文などを勉強しておくのも良いかもしれませんね。


ただ、いつまでも同じノウハウが通用するとは限らず、過去の実験結果と異なるケースが出てくるなんてこともあります。


nikkan-spa.jp


beehave.infodex.co.jp



過去の実験もすべての業種・業界・状況・環境の違いを網羅して検証しているわけでもないので、当然新たな発見がないとは言い切れません。


そのため、データ分析の作業も、すでに分かっているノウハウを改めて検証するだけでなく、そうした新たなノウハウや例外の発見につながる場合もあるかもしれませんので、データ分析の取り組みがいはあるかと思います。