商品分析のやり方

以前顧客分析のやり方を紹介しましたが、本日は似た分析として「商品分析」について紹介してみようと思います。


custle.hatenablog.com



商品分析とは、基本的には対象商品について任意の商品群の中でどのような位置づけかを明らかにするのが一般的によくやるものかと思います。


なお、小売の購買データなど複数企業の商品データがとれるのであれば、マーケット(カテゴリ)内で調査してみるのも良いと思いますが、データ制約的にもまず自社商品内で調べてみることになるかと思います。


どのような位置づけかを調べる際には、まず分析軸を設定する必要があります。


例えば、売上額を軸として分析すると以下のようなことなどがわかります。

・自社商品群の中で対象商品がどのランク(順位)にいるのか
・対象商品が全体売上にどれくらい寄与しているのか
・売上への貢献度が高い主力商品は何か


また売上は販売数×単価なのでこれらの軸で散布図としてデータをマッピングすることで、対象商品が薄利多売型なのかその逆のタイプなのかといった特徴が見えてきたり、あるいは商品全体の傾向からこれくらいの価格帯であればこれくらい売れるといった目安が見えてきたりします。野菜や資材など価格が変動する商品であれば、価格の変動とその時の販売数の関係性を調査したりすることもあります。


他にも、季節や時期による違いを見るために時系列での売上はどのように推移しているか、対象商品と一緒によく買われている商品は何か(バスケット分析)、対象商品含めて各商品がどれくらいリピート買いされているか(トライアル×リピート分析)、などの観点で商品の位置づけ(特徴)を分析することもあります。


さらに商品に顧客を掛け合わせて分析を行うパターンもあります。代表的なのはコレスポンデンス分析ですが、例えば売上額を商品群×顧客群(性年代別など)に分解してバブルチャートで表示するやり方です。参考までに以下のローソンの分析で取り上げられているので紹介しておきます。


globis.jp


商品の位置づけを把握すると、それを元に商品を取り巻く実際のアクション(開発・流通・宣伝・販売など)の改善につなげることも可能になります。


そのため商品の位置づけと合わせてさらにアクションを改善した場合の効果を分析することもあります。例えば、宣伝や販売についてはキャンペーン等の販促施策を行うことが多いので、施策を実施したときとそうでないときを売上額等の指標で比べるといった「売り出し方による違い」を分析したりします。商品の改善やリニューアル等を伴っている場合は、その際に商品の位置づけがどのように変わったかということも調べる場合もあります。


商品分析を行い商品の位置づけやアクションの改善による効果等を知ることで、まだ自社商品が進出していないホワイトスペースの領域がどこか、その領域に対してどのような手を打つか、またあるいは既に進出している領域でさらに売上を伸ばしていくために各既存商品の位置付けや売り出し方をどの方向に変えていくのかといったことが検討できるようになります。実際にアクションを伴う商品戦略を検討する際には、基礎情報を集めるために必要な分析となるでしょう。