データアナリストのほとんどは何らかの顧客分析を行った経験があるかと思います。
しかし、その先につなげられなかったという人も多数いるのではないでしょうか。
・特に意味のある分析結果が得られなかった
・分析をまとめた報告やレポートが特に何も活かされずじまいだった
顧客分析は「目的なき分析依頼」の典型例でもあるので、とりあえずデータをまとめて報告して終わりというパターンに陥りやすいようです。
あるいは分析者が自発的に調べてみようとして顧客分析を行うケースもあるようですが、せっかく労力をかけても単なるデータマイニングで終わってしまいがちなようです。
なるべくそうならないようにしたいものかと思いますが、なかなか厳しいようです。
以前の記事でも書きましたが、そもそも顧客分析とは顧客を複数のセグメントに分けてその違いを明らかにするものです。
ただいくつかのケースを見ていると、このセグメント間の違いをどのようなデータで調べるかが結構行き当たりばったりになっているように感じます。
例えば、優良顧客と非優良顧客の違いを分析する際に性年代データを見てみるとかですね。
こうした分析は通常は非優良顧客を優良化するにはどうすれば良いかを明らかにするために行うものです。
そのため分析した結果が、仮に優良顧客には女性が多く非優良顧客には男性が多かった場合、男性を女性にするための施策が必要ということになってしまいます。
当然ながらそうした施策は実施できないので、分析結果もそれ以上活かされることなく「あっそう」で終わってしまいがちです。
基本的に顧客分析の次には顧客の行動を変えるための施策を行うことになるので、見るべきデータも顧客の行動履歴を主としたものでないとなかなか活かしづらいでしょう。
ありがちですが、一定期間に何回以上来店すれば常連化しやすいことが分かれば、インセンティブをつけてその条件をクリアさせることを促せるようになります。
また単価アップさせたいならば、一定額以上の購入でプレゼントを与えるなどの施策もコンビニなどではよくやってますね。
むしろ施策案などから分析すべきデータを検討するほうが効果的なのかもしれません。
ありもののデータをそのままクラスター分析にかけるなどのやり方はあまり効率的ではないでしょう。(ひと昔前にはそうしたやり方も散見されましたが、あまり使えないということで今ではあまり見られなくなりました)
ただ、今は顧客の多様化やライフスタイルの変化も進んでいるので、今後はどういった行動履歴データがどこまで収集できるかも重要になってくると思われます。
顧客分析を活かすには、その後の施策の実現可能性を念頭において分析対象データをいかに揃えられるかがキーになるのではないでしょうか。
あと参考までに過去の顧客分析関連の記事も紹介しておきます。(↓)